携帯電話故障のおかげで~滞在許可証申請~ | パリの専業主夫

携帯電話故障のおかげで~滞在許可証申請~

こんなことはまずないらしい。滞在許可証の申請から発行までの期間を1週間にしてくれたのだ。


今日は、日本で取得したVISAと昨日の健康診断の結果をもって、滞在許可証の申請のためにNanterreの県庁に奥さんと行って来た。


約束の時間があり、その時間に行くと、担当者の部屋に通された。その担当者はかなりのおしゃべり。奥さんが仏語が達者だと分かると、ときどき仕事の手を止めながら世間話をずーと続けていた。まず、住所が自分と近いのでご近所さんだね、とか、アラブ系や中国系の人たちは感情が粗くうるさくて嫌いだけど日本人はおだやかでいいね、とか1日に僕が処理する件数は200件ほどだとか。。


フランスの県庁の役人など、レストランやカフェの店員以上に愛想が悪く事務的ではないかと勝手に思い込んでいたんだけど、それがこのように僕らに冗談を言ったり、自分の仕事の様子を話したり、日本の外国人事情を聞いてきたりして、愛想がよくやさしい


話ながら作業が進んで"Carte de Sejour"(滞在許可証)の申請書がすべて揃った。そろそろ取得のための次回の面会をいつにするか決めるときが来た。そんなときおもむろに奥さんがこんな話を始めた。


「携帯電話の契約にも滞在許可証が必要ですよね。実は彼(僕)の携帯電話が故障してずっと使えず困っているんですよね。今日もらうのは申請書ですよね。それで携帯電話の契約ってできますかね?」


するとその担当者が、


「え?それは難しいだろうね。正式な滞在許可証をもっていないとだめでしょう。そうか、彼は携帯電話が故障しているのか。それは大変でしょう。」


というと手帳を取り出し、


「それじゃ、滞在許可証発行の手続きを特別に来週辺りに設定して差し上げましょう。」


と言って、なぜか僕らの発行手続きの日を来週の金曜日にしてくれたのだ。え!普通は申請から発行まで1ヶ月ほどはかかると聞いていたのに!机には山のように積まれた申請書類の数々。それをゴボウ抜きしてトッププライオリティ待遇で対応してくれるというのだ。


最後は握手をして気持ちよく別れた。何か得した気分♪


後で聞けば、奥さんは決してあの携帯電話の故障の話題を面会日程設定の交渉材料にしようと思って持ち出したわけではないとのこと。意図的に交渉に持ち込んだのではないのに結果的にいい結果をもたらしているのが彼女らしい。良く言えば「天然系の人間力」、悪く言えば「たなボタ」?


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