フランス人の誕生会~別荘でのホームパーティ~ | パリの専業主夫

フランス人の誕生会~別荘でのホームパーティ~

この週末をかけて夫婦で長年付き合いのあるフランス人の女友達の別荘に招待されて行ってきた。彼女の妹の35歳を祝う誕生会がロワール地方ロッシュ近くにある別荘で盛大に催された。


僕らはパリからレンタカーをして向かった。片道約300kmなので平均時速100kmで行けば、ほぼ3時間の道のり。迷いながら着いてみると、とんでもない大邸宅。広さ数ヘクタールもある敷地に、プール、テニスコート、家庭菜園も付いた大豪邸にぶっとんだ。


正門より 中庭より


そもそもフランス人は自分の誕生会を自分で主催する。主な参加者は彼女の同年代の夫婦たちが10組ほど集まり、子供も含めて総勢30名ほどにもなった。僕らは昼過ぎに着いてから軽いランチをしていたが、その午後に少しずつ彼女の友達が終結してきた。


日なたの気温はすでに30度を超えていた。午後になってみんながまずしたことがプールに入ることだった。その様子見ていて面白かった。子供はまだ分かる。でも、他人の家のプールで大人たちが普通に無邪気にはしゃいでいるのに感心した。日本人の感覚だと他人の家に来ているのだから、いくら仲のいい友達だからとはいっても、少し遠慮してしまったりするものだが、プールに入ったことがないのか!というくらいにいい大人たちが自然に生き生き遊んでいた。家主たちだってそれを全然気にしない。ということで、僕らも一緒に戯れた(って様子を見てから行動する時点で日本人っぽい)


プールではしゃぐ大人たち 天使の戯れ


夕方になると、みんなそれぞれシャワーを浴びてアテリティフをプールサイドで飲み始める。主役の彼女が白が好きだということでみんな白を着てきた。ここではもうフランス人得意の機関銃トークが最高潮。普段の生活の話、仕事の話、子育ての話、日本の話・・・。そんな中、ホストである主役の旦那さんが僕らのことを「彼らは日本人の新しいタイプの夫婦なんだよ」と少し茶化しながら紹介してくれた。奥さんを通じて僕も話に加わる。彼らは変なカツラをかぶっておどけたり、写真をとったりしながら、シャンペンをあっという間に空けてしまった。


白で決めて・・・ エルビスとアフロ


夜はバーベキューとお約束のダンス。家庭菜園でのじゃがいもやいんげんが登場し、肉にソーセージが焼かれて振舞われた。音楽がスピーカーから大音量で放たれても、近所迷惑になどなりようがないので、誰も気にせず、踊りまくる。即席でキューバ人のサルサ教室が始まったり、夜中電気の着いたプールで泳ぐ人がいたり、このフランス人のおっさん、おばはんたちはかなり元気だった。途中、「Bon Aniversaire~♪」と誕生会お決まりの歌を歌い、主人公をケーキとろうそくで祝ったと思いきやすかさず踊り出す。世代のせいかレイヴとはいかず、80年代ユーロビートやロックに懐かしがって気ままに踊っていたんだけどね。僕ら2人は力尽きて先に寝てしまったが、みんな踊り明かして、邸宅のソファーなどで雑魚寝したらしい。


ダンシング Bon Aniversaire!


もちろんフランス人がこんな盛大なホームパーティをいつも開いているわけではないだろうけど、どんな狭い部屋でもどんなささいなきっかけでもこれでもかというほどホームパーティをやろうとするよね。日本人も最近の人はやることもあるのだろうけど、僕らの親の世代(今60歳前後)以上の日本人ってよほど海外生活経験でもない限りあまり他人を気軽に自分の家に呼ぶってことはしなかったんじゃないのかな。昔、農家では田植えが終わった後や収穫祭などには、小作人が地主の家に集まって宴会をしたりする習慣はあったみたいだけど、そうでもない限り、あまり他人を自分の個人的な空間に気軽に招き入れるってことはしなかったと思うし、呼ぶとなったら思いっきり張り切っちゃって掃除を完璧にし、豪華料理で迎えた。その雰囲気が結構最近まで残っていたと思う。


そんなことを翌日の帰り道考えながら高速をぶっとばし、家に帰ったら何故か無性にそうめんが食いたくなったので、そうめんかっ喰らってから、何だか疲れて早々に寝てしまった。



※クリックしていただけたら幸いです